けんぶちックな地方そうせい

剣淵町内を歩く、食べる、泊まる、そして出会う…
菅井尚伸の「新鮮・町レポ」をお届けするコーナーです

#1「おねえさんたちの智慧で売上げ5割増」

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#ゼロはお読みいただけましたでしょうか。今回がこのブログの第1回です。
ブログのタイトルについて、ちょっと前書きさせて下さい。
「北の国から」の倉本聰さんの本に、昔、東映の映画監督が
あるシナリオライターの脚本を読んで、こう言ったと。
「この本には、“ドラマ”はあるが、“チック”がない!」 なんとなく…なるほど、と思いませんか?
“チック”には、感情にうったえたり、心を動かしたりする意味があるのだと。
なもんで、「じんじんと心ゆさぶる…それが“けんぶちック」”としました。
“そうせい”は、いま全国的な課題「地方創生」。ひらがなにしたのは
小中学生でも分かるように伝え、一緒に考え、実現につなげたい、という思いからです。
もう32年も前になりますが、1985年に立ち上げた「ニュースステーション」の発想は、
“中学生でも分かるニュース” と ”誰もやっていないこと”でした。
地方自治体はどこも少子高齢化、人口減がどんどん進んでいます。
剣淵町は今、約3200人、23年後の2040年には推計で2058人。
さらに、北海道はJR路線がどうなるかという大問題が待ったなし状態です。

今年4月、元地方創生大臣の石破茂さんを取材した際、
石破さんは、いま最も危惧していることとして次のように話しました。
「いまの政治ってのは、永田町と霞が関とメディア、この3者で完結してしまっている…」。
石破さんが言いたいことは、党や国会でまっとうな議論がない。メディアは自主規制。
国会が死んでいる状況では、地方自治体が束になってでも本気度を示さなければ
「地方創生」はお飾りにすぎなくなる。
この話は、私がまだ東京で暮らしているときに聞きました。
帰郷して、たまたま石破さんの取材メモを読み返し…ストンと腹に落ちました。

このブログは、30年あまり東京勤めをしてきた、いわば“よそ者”の私が町を歩き
”剣淵そうせい”の「素」を見つけられれば、と思って始めました。
(もちろん、彩香ちゃんとの約束もありますが…)前書きが長くなりました。

11月上旬、ビバカンパニーの小澤さんと新コーナーの打ち合わせをして、
いざ剣淵探訪開始。駅前旅館でラーメンカレーセットに大満足して宿泊した翌日
「けんぶちックな地方そうせい」第1号を発見しました。
あおい食堂でおいしいカレーライスを食べながら読んでいた北海道新聞 名寄・士別版に
和寒の「越冬キャベツ」よりも大きく取り上げられていたのが
剣淵の6人の“おねえさん”の写真つき記事。町では有名なんですね「福有会」さん。

元気福みそ①元気福みそ②元気福みそ③

自慢の「元気福みそ」の容器のふたを、農家のおねえさんがほっかむりをしているような
かわいらしいものに改良したのだと。“贈り物にも使えます”と自信満々。
販売は10月から始まり、道の駅「絵本の里 けんぶち」では前月比5割増の売れ行きだと。
地方創生関連交付金も活用されています。で、すごいと思ったのは、この商品、
おねえさんたちが、電通と意見交換しながら作ったのだそうです。
福有会メンバー
ここに「そうせい」へのヒントがある、と直感的に思いました。
道産子って “現状(いま)のままでいいべさ” 的な気質の人が多いように感じます。
ところが、手塩にかけた味噌の魅力をもっともっと高めようと
おねえさんたちが電通と組んで(味噌だけじゃなく)アイディアを練る、という発想。
もちろん町や農業関係者の方々の応援や協力もあって実現したんですね。
さらに感動したのは、上川総合振興局の資料『食べものがたり』

「剣淵町の小・中・高すべての学校給食に使われている味噌は福有会の味噌、
それらはすべて、平成21年から会のご厚意で無償提供されています。
平成26年からは保育所にも提供」と。剣淵のみなさんはご存じだとは思いますが
「元気福みそ」のこと、私も旭川の両親も兄弟家族も誰も知りませんでした。
味噌自体もそうですが、話としても超~もったいない。(“もったいない”の話は次回に)

「ばあばの元気福みそ」白と青、実家に買って帰ったところ、
母が“このお味噌、ダシいらないね”と。私もざく切りしたキャベツにつけていただきましたが、
手ごねだからでしょうか、柔らかくて甘みがあって、“まいう~”

ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。味噌は「和食文化の代表」でもあります。
いまシンガポールをはじめアジア各国で道産品の人気が高まっていますね。
和食の素材や加工品だけでなく、「絵本の文化」と同じように
「元気福みそ」の『食べものがたり』つまり”けんぶちック”な文化も
広くアジアに知ってもらいたいですね。
難しくても ”誰もやっていない” という発想を少なくとも、いつも心の中に住まわせて…

この日は、実はもう一つ「けんぶちックな地方そうせい~」を見つけたんです。
“地産地消の極み” そこにも、“地方そうせい”への大きなヒントが・・・

訂正:文中、「おねえさん」との記述は「おばあちゃん」の誤りでした(笑)。。

#2 予告
「“もったいない”が見えにくいジモティー」
内容のヒントは…”は・な・ご・よ・み”

<けんぶちックな ふぉと すて~しょん>
11月7日まで「絵本の館」で開かれていた、文化祭事業の幼児・児童生徒作品展
とても”けんぶちック”でした。#4の回でリポートします。
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投稿日: 2017年11月24日カテゴリー: けんぶちックな地方そうせい

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