けんぶちックな地方そうせい

剣淵町内を歩く、食べる、泊まる、そして出会う…
菅井尚伸の「新鮮・町レポ」をお届けするコーナーです

#3「地方そうせい ”まちづくりは人づくり”」

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ブログのタイトルを“地方そうせい”としたのには、少し深い「根っこ」があります。
(以下、人事Gate コラム 2013.6.13から引用)
幕末の長州藩主、毛利敬親は何でも「そうせい」と言ったので
「そうせい公」というあだ名がついていましたが、実は違いました。
彼は重要案件を決める際は、部屋を二分して、下座に若手の役人たちを、
上座に年配の家老たちを座らせ、まず下座の若手に自由闊達に意見を述べさせ、
次に家老たちの意見を聞き、まとまった段階で、藩主として「そうせい」と決定したそうです。
現代風に言えば、取り巻く環境の変化に対応するために
最新の情報を集め、階級にとらわれない多くの意見に耳をかたむけたのだと。
(引用終わり)

よく、「リーダーシップ」という言葉が叫ばれます。口にするのは簡単ですが、
実際には難しいですよね。何でもかんでも議論もせず、トップダウンで決めるのが
強いリーダーなのか、毛利公のように、皆がまとまるまで議論させ、
それを見届けて「そうせい」と言う方が民主的でいいのか。

私事ですみません。
私は、尊敬するお二人の言葉を忘れないようにして仕事と人生を送ってきた気がします。
一つは、「一に体力、二に気遣い、三、四はなくて、五に才能」(久米宏さん)
一つは、「樹は根によって立つ。されど根は人の眼に触れず」    (倉本聰さん)

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道の駅「絵本の里 けんぶち」に、町の小中高生が考えた標語のポスターが貼ってありました。
(剣淵町青少年健全育成協議会 ポスターは「絵本の館」にも)
町の皆さんもご覧になったでしょうか。
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私は、そのうちの特に2つの標語が、今の日本社会を鋭く捉えていると思いました。
(もちろんそれ以外も秀作です)

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一つは、「その言葉 本当に言っても 大丈夫?」 中学2年 小柳 颯希さん
一つは、「伝えよう 画面の中より 顔を見て」 中学3年 宍戸 快世さん
この2つの標語を、今回の“けんぶちック” にさせていただきました。

小柳さんの標語は、まさに “気遣い”のことを表しているように私には思えました。
相手に言葉を発する前に、「本当に言っても大丈夫かな これを言ったら相手が傷つかないかな」と、
常に自分にそう問いながら会話をするのって、とても難しいことです。
完璧にそうするのは不可能かもしれませんね。でも、そう心がけるのと心がけないのとでは…
「言うに及ばず」ですね。

最優秀賞の宍戸さんの標語は、自分が伝えたいことは、スマホを使ってではなく、
相手の顔をちゃんと見て伝える。私には、倉本さんの言葉とだぶっているように思えました。

樹(人)は根っこ(信念)をしっかり張って(鍛えて)いれば、
ちょっとやそっとじゃ倒れない(へこたれない)。
そしてその強い根っこ(信念)は、相手からは見えない。
相手は顔を見て伝えようとするその人の見えない強さを感じて、その人の言葉を真剣に聞こうとする…
自分の気持ちは、スマホでもちゃんと伝わるんだ、なんて思ってはいけない、と
宍戸さんは言っているように感じました。(違っていたらごめんなさい)
2つの標語、表現は違いますけど、込められた想いは似ているんじゃないかな、と思いました。
標語を考えたお二人には拍手です…が、偉そうに評価なんかしちゃって自分はどうだろうか、実は私は
2人の標語を「道の駅」で見て、あらためて先の久米さんと倉本さんの言葉を肝に銘じた次第です。

神奈川県・座間市で、SNSを悪用した異様な事件がありました。
地毛が茶色の生徒の髪を、強制的に黒く染めさせた学校がありました。

来年度から小学校で、科目として「特別な教科 道徳」が始まります。
↓ 剣淵小学校
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19年度には中学校でも。道徳を初めて教科書で教える。その教科書をめぐっては
「パン屋」さんを「和菓子屋」さんに修正して検定を通ったというニュースがありました。
文科省がダメ出しをしたのか、教科書の出版社が「忖度」して修正したのか、
実際のところはわかりませんが、いずれにしても学習指導要領にある
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」に照らし、扱いが不適切との判断だったようです。
当然ですが学校給食に長年パンを供給してきたパン製造業界からは、
怒りと悲しみの声が上がったそうです。

科目としての「道徳の評価」はどうなるのか、不安に思っている親御さんも多いのでは?
文科省は 、こんな風に説明しています。
「道徳」の評価はどうなる??

今回は少し硬いお話になりましたが、ご容赦下さい。
このリポートは、教科書に基づく「道徳」教育を否定するものではありません。
ただ、なかったと言っていた文書が、批判を浴びたら ”やっぱりありました”と
簡単に覆すような役所の説明を鵜呑みにするのは、どうかとは思っています。
重要なのは、役所の説明でも教科書でもなく、教育現場と家庭と地域です。
小柳さんや宍戸さんたちのように、世の中で起きていることを自分なりに捉え、
大事なことは何なのかを、子どもたちそれぞれが考えて標語にしてみる。
もちろん標語じゃなくてもかまわないと思います。大切なのは、自分の考えを表現することです。
そして、それらを持ち寄って、クラスや家庭、地域で活かす。
そうしないと、もったいないと思いませんか。
剣淵は小中高の学校が1校づつだけに、けんぶちックな「道徳」教育ができると思うんです。
↓ 剣淵高校
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特に剣淵高校は、町立の高校なんですね。
調べてみると、全国757の「町」で、町立高校があるのはわずか14町(すべて北海道です)
「農業」と「福祉」を専門に学ぶ 剣淵町の ”人づくり” もっともっと自慢しないと…
困苦に耐えて開拓に専念した先人たちの声も聞こえてきますよ~ ”そうせい” と。

次回も、子どもたちが主役のリポートです。
#4予告「陶芸作家は年長組 幼小中高 オール剣淵作品展」
↓ 剣淵保育所
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↓ 「絵本の館」展示ホール
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<けんぶちックな  ふぉと  すて~しょん>
☆見せたい笑顔がたくさんあったので、枚数ちょっと多いです。
12月6日、静岡県浜松市の聖隷クリストファー高校の研修旅行北海道コース。
ほかにアメリカ、オーストラリア、沖縄コースがあるそう。
この日は稚内からアルパカ牧場へ。メインイベントのエアボードでは
男子も女子も、雪をかぶった顔を真っ赤にしながら ”超~楽しい! これやばいよ、やばいよ~”
午後4時すぎ、暗くなるまで大騒ぎでした。最後の雪まみれは 先生?
皆さんが到着する前、人数分のウェアとブーツには、生徒さん一人ひとりの名前とサイズが。
事前に聞いておかないと、着替えがてんやわんやになるんですね。準備も大変なんだな~
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投稿日: 2017年12月08日カテゴリー: けんぶちックな地方そうせい

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