けんぶちックな地方そうせい

剣淵町内を歩く、食べる、泊まる、そして出会う…
菅井尚伸の「新鮮・町レポ」をお届けするコーナーです

#7「拝啓 日下部彩香 様 2018けんぶちックな ”餅のふる夜に”」

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彩香ちゃん、あけましておめでとうございます。元気にしてますか。
小児科の子どもたちへの絵本の読み聞かせ、さらにうまくなったことと思います。
彩香ちゃんに頼まれて、去年の10月から週に何度か剣淵に通い、
よそ者目線で気づいたことなどを、さぼらず毎週書いていますが…読んでくれていますか?
年明け最初は、まちの名物というカウントダウンイベント「お年玉つき 福餅まき」の様子など…
大晦日、体感で氷点下20度を超えているんじゃないかというシバレと霧に、町は包まれていました。
(実際にはマイナス12~13度でしたが)
深夜11時半、照明に照らされた「町の駅」前は、閑散としていたんだけど…

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11時45分ごろにはこんなに…300人くらい集まったんじゃないかな?

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で、餅まきの説明があって、NTTの時報案内の音がスピーカーから流れ、
いよいよというところで、ちょっとトラブル発生。
NTTが聞こえなくなって…町長もちょっと心配?
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NTT復活  ”ピッピッピッピーン 午前0時0分10秒をお知らせします”
で、夜空に花火が一発
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雪ではなく霧のつぶが、花火の光に反射して、ダイヤモンドダストのように…

始まった餅まきは、圧巻でした。
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道路を塞いで横づけされた2台のトラックの荷台から、「町の駅」の建物の屋上とテラスから、
そしてその正面の、おそらくこのために作られた雪山から
なんと前後左右四方向から、集まった町の人たちに、”餅が /// 降って”います。
餅の数も半端じゃないようで、まく人たちも大変。
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早坂町長も、フーフーと息を切らせながら真剣に餅をまいていました。
最近は餅まき自体見なくなりましたが、こんな餅まきは初めて見ました。

餅まき終了後は、怒涛のお年玉景品受け取り
一層シバレる中、外に並んで…なんと剣淵町で、東京・銀座のデパートで、
福袋を求めて人が殺到したときに行われるような ”入場制限が”!?
ふるまい酒は…広島の「マツダ美人」。大人気のCX-8は半年待ちも、と井下さんが言ってました。
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中では、写真撮影は間に合いませんでしたが確かに、でっかいタラバガニの足が、
宙を舞うように手から手へ。他にもいろんなお年玉が次々と…
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シバレる真夜中に、剣淵のどこからこんなに人が集まったのかと観光協会の大居さんに聞くと
例年これくらいの人が集まるんだそうです。
この寒さの中、インドアで行われる
和寒の「全日本玉入れ選手権」よりも過酷なスポーツイベントのようでした。

彩香ちゃんにとって第二のふるさとだという剣淵町。
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”餅のふる夜に” 僕はこの2~3か月をちょっと振り返ってみたんです。
この間、もちろん剣淵のすべてを見たわけではないですが、
短い間ながらも、よそ者目線で、この町にはいくつもの ”こだわり”があると感じます。
餅まきもそうですし、もちろん「絵本の里づくり」をめぐるこだわり、
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ブログにも載せさせていただきましたが「福有会」さんの「元気福みそ 食べものがたり」、
レークサイド桜岡の「花ごよみ」、「道の駅」の30種類以上もあるパンなどもそうですね。
旭川駅の観光情報物産センターの入り口すぐに、デンと構えて一番目立つ「ゴトウくんせい」さん。
「倉田精肉店」さん、ジンギスカンは”まいう~”でしたが、
よそ者からすると不思議な”こだわり”限定名物「鳥あし」は年末…残念でした。今度はぜひ!

町立の剣淵高校の「農業」と「福祉」も、町の”こだわり”ですよね。
町の資料や記事などで知った”こだわり”もあります。
剣淵では、約250種類もの野菜をつくっていること(もっと多いというお話も)
40種類以上のジャガイモ、トマトも約60種類
難しい少量多品種にあえて挑むという”こだわり”。つい最近では、
武山農園さんの”こだわり”「ゆめぴりか」の快挙がニュースにもなっていましたね。
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まだお会いしていませんが、けんぶちVIVAマルシェの高橋朋一さんが、
ある講演でこう話しているのを見ました。
「農業 新3K かっこよく 稼げて 感動がある」
「今やおいしいだけでは売れない。農業は褒められない。これからは褒められる農業を」
「(信号が四つしかない)小さな町だからこそ、できることがある」

まちの”こだわり”は、僕が知らないだけで、まだまだたくさんあるんだと思います。

余談ですが、神奈川県の逗子に住んでいた僕は、となり町の鎌倉にある「鎌倉市農協連即売所」に
毎週のように通っていました。そこにはスーパーじゃ見たこともないような、
名前も初めて聞くような野菜が、いっぱい並んでいて、
わざわざ東京のレストランのシェフや、セレブな鎌倉マダムたちで朝から大賑わい。
そういえば、鎌倉に移住して農家になったという外国人夫婦もいました。

剣淵の人たちの ”こだわり”の数々は、よそ者の僕から見ても、誰に押し付けるでもなく
ひけらかすでもなく、それぞれが淡々と独自に積み重ねてきたものなんじゃないかなと感じます。
もちろん町のために、とも考えて。
こうした数々の”こだわり”は、どれもが、まちに輝きをもたらす「素」です。
それは剣淵町役場の総務課が2013年に企画/編集した「けんぶちの素」にも書いてありました。

一方で、いま地方自治体に求められているのは、
それぞれの「素」という ”役者” を演出した「町」というドラマ の「シナリオ創り」です。
シナリオは「作る」でも「造る」でもなく「創る」です。
「作る」と「造る」は、今すでにある材料とお金を使って「つくる」。
「創る」は、何もないところから「智慧」だけを使って「つくる」。
富良野をドラマで一躍人気の町にした倉本聰さんが、よくそう語っています。

剣淵120年の今年、まちの「こだわりの役者」のみなさんと、けんぶちそうせいへの
ドラマチックで ”けんぶちック”な「シナリオ創り」にも、
ちょっと ”こだわって”みてはいかがでしょうか。

今年も”よそ者目線”でまいります…どうぞよろしくお願い致します。

追伸:彩香ちゃんへ
剣淵120周年、彩香ちゃんが遊びに来たら町中の人たちが喜ぶと思うんだけど、どう?

投稿日: 2018年01月05日カテゴリー: けんぶちックな地方そうせい

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